スピード持久力の向上も狙えるインターバル走「3km+2km+1km」とは?
マラソン練習で最もきつい練習の一つに挙げられるのがインターバル走。
インターバル走とはレースペースより速いペースで走る「疾走期」とジョギングで疲労回復を図る「緩走期」を交互に繰り返すトレーニングで、疾走期の距離と本数によって、目的に応じてバリエーションに富んだメニューを組むことが可能です。
そんなインターバルメニューの一つとなるのが3km→2km→1kmと、疾走の距離を変化させて行う変化型のインターバル。
まだこうした変化型のインターバルに馴染みの少ない市民ランナーの方も多いと思いますが、3km+2km+1kmなどの変化型のインターバルは、実業団などのトップチームの選手でも積極的に行っていることがあるメニューです。
そこで今回の記事ではそんな変化型インターバル「3km+2km+1km」について詳しく見ていきたいと思います。
3キロ、2キロ、1キロと徐々にペースアップ
私どものチームで実施する3km+2km+1kmでは、3キロの疾走→400mのジョギング→2キロの疾走→200mのジョギング→1キロの疾走の流れで行います。
走るペースの目安は最初の3キロ疾走をフルマラソンの目標ペースよりキロ10秒速いペース、次の2キロ疾走を3キロ疾走の時よりさらにキロ10秒ペースアップ、そして最後の1キロは2キロ疾走の時よりさらにキロ10秒ペースアップの設定で走ります。
ですのでサブフォーを狙う方であれば、フルマラソンの目標ペースが5分40秒ペースということで、最初の3キロがキロ5分30秒ペース、次の2キロをキロ5分20秒ペース、そして最後の1キロを5分10秒ペースの設定で走ることになります。
練習効果はスピード持久力強化にも及ぶ
インターバル走で本来目指す練習効果はスピードや心肺機能の強化、最大酸素摂取量の向上などにあります。
これに加えて3km+2km+1kmのメニューでは、最初の3キロと次の2キロを通常のインターバル走るより少し長めの距離を疾走することで、スピード持久力の向上やATペースの向上など、本来ペース走で期待できるような練習効果も期待できます!
誰にでも取り組みやすいインターバル
3km+2km+1kmのインターバルでは、最初から呼吸がゼイゼイいうきついペースで走ることの多い1キロや400メートルのインターバルに比べると、最初の3キロの疾走の際のペースに多少余裕があるため、前半一気に心拍が上がるようなことはあまりありません。
そしてその後2キロ、1キロと徐々にペースが上がっていきますが、段階を踏んでペースを上げれる分、身体に急な負荷をかけずに最後にペースを上げていくことができます。
そのため1キロや400メートルなど最初からきついペースで走るショートインターバル走に比べると、誰にでもとっかかりやすいメニューと言え、比較的走歴の浅い方が徐々にペースアップに身体を慣らしていくうえでも有効な練習方法と言えます。
とは言ってもやはりきつい練習メニュー
・・・というわけで今回の記事では変化型インターバル「3km+2km+1km」について紹介させていただいたわけですが、なんだかんだ言ってもこの練習メニューは身体への負担も大きく、初心者の方が実施するにはかなりのリスクが伴うメニュー。
ただしスピード持久力の強化にも大きな効果があるという点については、かなり魅力あるメニューとも言える「3km+2km+1km」。
フルマラソン4時間半切り以上を狙うランナーの中でも、ショートインターバルが苦手な方や、記録が伸び悩んできている方が自分の壁をぶち破るために実施するには、特におすすめのメニューと言えそうです!!
合同会社ランシスの運営を通じて「ランウォーク」×「ツーリズム」の掛け合わせ「ランウォークツーリズム」による、三重を走り歩く新たなモチベーション創りを模索しています。
またランニングコミュニティ「セカンドウィンド四日市」の運営や、三重県ウオーキング協会事務局長として広報等を担っています。