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リディアードのランニングバイブルに学ぶトラックトレーニング

リディアードのランニング・バイブル

 

先日の記事で世界一のランニングコーチとまで言われた故アーサー・リディアード氏のトレーニング理論として、まずマラソンコンディショニングトレーニングで有酸素能力いわゆるスタミナを強化、そしてその途中から坂道を利用したヒルトレーニングを推奨していることを書かせていただきました。

リディアードのランニング・バイブルに学ぶスタミナ強化トレーニング

リディアードのランニングバイブルに学ぶヒルトレーニング

そしてヒルトレーニングでスピードを上げて走るための筋肉や動きを身につけた後に実施するトレーニングとして、主にスピードを強化するための「トラックトレーニング」があります。

そこで今回の記事では世界一のランニングコーチとまで言われた故アーサー・リディアード氏がスピード強化トレーニングとして推奨している「トラックトレーニング」について詳しく見ていきたいと思います。

トラックトレーニングはしっかりスタミナの土台をつけてから

リディアードのランニング・バイブルでなんども書かれていることであるのですが、長距離の練習でまず優先すべきはスタミナの土台をしっかり作ること。

このスタミナの土台ができていないと、スピード強化もレースもあったものではなく、トラックトレーニングを実施しても大きな効果は期待できないとされています。

 

トラックトレーニングは徐々にペースを上げていく

リディアードのランニング・バイブルにおいて、トラックトレーニングの初期の段階では、スプリントトレーニングと言われるトレーニング以外は、全力で走るべきでないとしています。

むしろスピードを抑え気味に、そしてスピードがついてきてからも、常にスピードを抑えるようにしないと、大切なレースに向けてコンディションを整えるのが難しいとされています。

トラックトレーニングを実施していると、つい調子がいい時に必要以上にペースを上げて走ってしまいがちですが、そうすると早い段階で体調がピークに達してしまい、レース本番までに調子を落としてしまうことになるようです。

またトラックトレーニングを十分にやっていない段階では、スピードのある走りはまだできていない状況のため、この時期にレースなどに出ても思うような結果が出なくなるのは当たり前のこととされています。

トレーニングでは常に徐々に着実に進歩していくことが成功に通じる唯一の方法であるため、トラックトレーニングをはじめた初期の段階で、必要以上に結果を求めないよう諭しています。

 

トラックトレーニングは基本10週間

ではトラックトレーニングに10週間かけることをすすめています。

それより短い期間でもいい成績をあげることは可能ですが、最高の結果を得るためならスピードを厳密にコントロールしながらゆっくりとテンポを上げていったほうがよいとされています。

 

最初の4週間に実施するトレーニング

トラックトレーニングにかける10週間のうち、最初の4週間で取り組むべきは、無酸素能力を開発するための「無酸素トレーニング」とスピードを最大限に発達させる「スプリントトレーニング」を1日おきに実施。

無酸素トレーニングとスプリントトレーニングの詳細については、後日別の記事として紹介していこうと思っていますが、この時期のトレーニングで大切なのは疲労をうまく抜きながら実施するということ。

疲労が抜けていない状況で次回の無酸素ランニングを行っていると、疲労はどんどん溜まっていく一方で、レース本番に向けて体調を取り戻すのがかなり難しくなるとされています。

またトラックトレーニングを実施している時でも、ジョギングは大切で、本練習の前後に最低15分のジョギングでウォーミングアップやクールダウンするのはもちろん、時間があれば補助的にジョギングを行うと疲労回復がより促進されることになります。

 

次の4週間半で実施するトレーニング

上記トレーニングを4週間続けると、無酸素能力、スピード、およびスタミナが十分発達しますが、この段階ではレースで持てる力を十分に発揮することはできないようです。

そこで続く4週間半で、無酸素能力を維持するためのシャープナーやスプリントトレーニングを少なくとも週1回ずつ、そして疲労回復のために有酸素ランニングやファルトレク、さらにタイムトライアルや本命でないレースへの参加などのトレーニングをする事が勧められています。

上記で書かれているシャープナーやファルトレクについても、後日別の記事にて詳しく紹介していきたいと思います。

 

10日前に最後のタイムトライアル

そして本命レースのおよそ10日前には最後のタイムトライアルを全力で、ただしスパートはかけずに実施して、その後は疲労回復に努め、リラックスする事が書かれています。

その後のトレーニングも毎日実施こそすべきですが、速く走るトレーニングは短い距離を質の高いスピードで走って短時間で切り上げる、そして長く走る場合はゆっくりとしたペースで走って、いずれにせよ無理のないレベルで抑える事が重要とされています。

そしてこの時期には練習量が軽くなる分、体重を増やさないために、食べる量も練習量に応じて減らす事も勧められています。

 

そのまま導入するのは難しそうですが・・・

上記のように今回の記事では故リディアード氏が推奨していたスピード強化のための「トラックトレーニング」について詳しく紹介させていただいたわけですが、なかなかこのとおり実施するのは難しく、またスピード強化だけに集中した時期を長く設定するのは時代遅れとの説も出てきているのも事実です。

ただし徐々に徐々に走るペースを上げていく事でピークをレース本番に合わせていく事や、スプリントトレーニングなどの個別のトレーニングメニューについては、今も参考になる事が盛りだくさんである事も事実。

マラソントレーニング全般のおいて言える事ですが、絶対に正しいトレーニング方法などというものは存在せず、自分に合ったメニューをうまく組み合わせていく意識が大切。

全てを真似するのは難しくても、自分で効果が見込めると思える事は積極的に真似てみる意識が、走力向上の一番の近道といえそうです!!

 

今回の記事で紹介させていただいた書籍

リディアードのランニング・バイブル
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