マラソンでの失速は乳酸が原因?

フルマラソンでどうしても後半失速してしまう・・・

この悩みはどれだけ速いランナーでも持っている事で、ほとんどと言っていいほど全てのマラソンランナーの悩みと言ってもおおげさではありません。

そんなマラソンでの後半の失速にはいろいろな要因が考えられますが、中でも大きな要因の一つが、血液中に乳酸が溜まりすぎる事にあります。

乳酸は疲労物質?

かつては疲労物質と言われていた乳酸ですが、今はそれが誤解だった事がわかっています。

乳酸は運動時になど多くの糖質がエネルギーに変換された時に、身体で吸収しきれずに、筋肉の血液中に残ってしまった物質の事です。

糖質は運動が激しくなればなるほど、エネルギーとして大量に変換されるため、その分乳酸も多く生成されやすくなります。

この乳酸は最終的には体内で分解され、エネルギー源ともなるため、疲労の原因にはならず、むしろ疲労を助ける働きを持つ物質とも言えます。

ちなみにヨーグルトなどの乳酸菌は腸管内に存在するもので、働きも腸内環境を整える事と、今回話題としている乳酸とはまた別のものになります・・・

乳酸が溜まると何が問題?

そんなエネルギー源にもなる乳酸は運動していない時でも少量ではありますが存在していて、溜まっても問題ないように思われますが、あまり溜まりすぎると身体に異変が起こります。

乳酸はある程度きつい運動をしていると、徐々に溜まりはじめるのですが、一部はエネルギーに変換されるため、血液中の濃度はある程度一定に保てています。

ただある限界点を超えて運動を続けると、乳酸が血液中に蓄積されるスピードに、乳酸がエネルギーとして変換されるスピードが追いつかなくなり、血液中に乳酸が溜まる一方になります。

世界的ランニング専門書の名著アドバンスト・マラソントレーニングによると、乳酸が生成されるに伴って水素イオンが発生するのですが、実は曲者なのは乳酸ではなく、この水素イオンの方。

この水素イオンはエネルギーを作るために必要な酵素の働きを邪魔するうえ、筋肉の収縮のために必要なカルシウムを筋肉内に取り込むのも邪魔してくれます・・・

乳酸が溜まりすぎると、この身体に悪さをする水素イオンも大量に発生してしまい、結果として筋肉でエネルギーが作られにくくなり、筋肉も収縮しなくなります。

そして最終的には身体が思うように動かなくなり、走るペースも落とさざるを得なくなります。

乳酸を溜めすぎないためには?

乳酸はある程度の強度の運動までは徐々に溜まっていくのですが、ある強度を境に急激に乳酸の溜まる量が増えてしまいます。

ただ適切なトレーニングを行えば、乳酸がエネルギーに変換されやすくなったりと身体にいくつかの適応が起こり、より強度の高い、より速いペースを維持して、長い距離を走り続ける事が可能になります。

そんな乳酸を溜め込まない身体をつくるためのトレーニング方法については、また別の記事で紹介していきたいと思います。

今回の記事で参考にした書籍

アドバンスト・マラソントレーニング
ピート フィッツィンジャー スコット ダグラス
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