レース中に起こりやすい「水中毒」とは?
11月もいよいよ終盤とマラソンレースの秋シーズンももう終わろうとしています。
今年のレース開催日は雨が降るか、暑くなるかと少し極端な天候の日が多くなりましたが、特に暑い日に起こりがちなのが脱水症状・・・なのですがその脱水症状に似た症状に「水中毒」(みずちゅうどく)というのがあります。
ただ一般ランナーの方には水中毒という言葉、まだまだ一般的ではありません。
そこで今回の記事では「レース中に意外と起こりやすい水中毒とはいったい何か?」という事について書かせていただきたいと思います。
水中毒とは?
水中毒とは過剰な水分摂取によって体内の水分が過剰になり細胞が膨張してしまい、血液中のナトリウム濃度が低下する事よって起こる中毒症状の事です。
この水中毒になると初期症状としては頭痛、頭がぼうっとする、吐き気がする、脚のけいれんなどの症状を起こし、重傷の場合には昏睡状態になってしまったり、場合によっては呼吸困難によって死亡するリスクまで伴います。
意外と多いが自覚しにくい水中毒・・・
これらの症状は脱水症状に似ているため、症状が起こりはじめたときさらに水を飲む事で解消しようとしますが、水中毒になっていたとすると明らかにこれは逆効果です・・・
実際レースで脱水症状を訴えたランナーの約1割が「実は水中毒だったのでは?」という説もあるらしく、症状が起こったとき「脱水症状なのか?」「水中毒なのか?」を判断する事は非常に難しいようです。
水中毒対策は?
そんな水中毒になる事を防ぐためには、レース中できるだけ真水でなくスポーツドリンクを選んで飲む事がおススメです。
水中毒は体内のナトリウムが不足する事によって起こる症状のため、スポーツドリンクでナトリウムを補給する事はそのまま水中毒対策になります。
また仮にこのとき起こっていた症状が水中毒でなく脱水症状だったとしても、スポーツドリンクを飲む事は水分補給にもなるため、脱水症状対策にもなり得ます。
給水はこまめにちょっとずつが大切
また水中毒は人の利尿速度毎分16mlを越える速度で水分を摂取する事によって起こりやすくなります。
なのでレース中でも水分を補給する時は1カ所でがぶ飲みして「一気に水分を補給しよう!」と考えるのでなく、各ポイントでこまめに給水をとり続ける意識を持つだけでも、十分な水中毒対策になります。
「レース中かなり重要な「給水」をとるためのポイント」でも書かせていただきましたが、給水はレース中のパフォーマンスを左右する大きな要因。
今回紹介させていただきました「水中毒」対策も十分意識することで適切な給水を行っていただき、レース本番で練習の成果をフルに発揮いただければ幸いに思っております!!
合同会社ランシスの運営を通じて「ランウォーク」×「ツーリズム」の掛け合わせ「ランウォークツーリズム」による、三重を走り歩く新たなモチベーション創りを模索しています。
またランニングコミュニティ「セカンドウィンド四日市」の運営や、三重県ウオーキング協会事務局長として広報等を担っています。