「コニカミノルタ」に学ぶスピード強化トレーニング
今長距離実業団チームで一番勢いがあると言われているのが、今年のニューイヤー駅伝でも優勝を果たした「コニカミノルタ陸上競技部」。
そのコニカミノルタ陸上競技部が実施しているスピード強化のためのトレーニング方法が、ランニングマガジン courir (クリール) 2014年 06月号 [雑誌]に掲載されていました。
この記事の冒頭にある磯松大輔監督のインタービューによると、スピードはある程度生まれ持った物に左右される場合が多いが、技術を高めることでもスピードを強化する事は可能との事。
そんな技術を養成するためのトレーニング方法として4つの方法が掲載されていました。
その一つ一つを見ていきますと・・・
1.ビートランニング
現高校教諭・棟方拓也先生が陸上競技の基礎トレーニングとして開発した練習法で、ヒップホップなどの音楽に合わせてジャンプやスキップを繰り返す練習。
ビートランニングの基本は着地しているとき力を入れ、空中に浮いている時は脱力する、その緩急ある動きが走る際のストライド(歩幅)を伸ばしていく事につながるようです。
2.土のトラック
トラック練習と言うと普通は舗装されたタータンのトラックを使いますが、コニカミノルタでは効率のいいフォームを意識するために土のトラックを利用しているとの事。
土のトラックは滑りやすく、地面を蹴る走りで速く走る事ができないため、自然と身体全体を使った効率の良いフォームを意識するようになります。
走った後にふくらはぎが張る人や、フォームの上下動が大きく「後半脚のバネがなくなってしまう・・・」というランナーの方は、こうした土のトラックで走る事が、技術的な課題を見つけることにつながりそうです。
3.高尾山クロスカントリー
コニカミノルタでは高尾山の不整地を使って、スピード強化につながる技術などを継続して磨いているそうです。
特に下りを速く走らせる事で、股関節の可動域を広げられるなど、速く走るための身体のメカニズムが自然と変わっていきます。
またこうした山を走る事は、基礎体力の強化につながる他、転ばないようにと集中力も高まるなど、ランニングに関するあらゆる能力をバランスよく鍛える効果も期待できそうです。
4.起伏走
スピードを出して走るためには、「地面をうまくとらえる事」、「蹴らない走りを身につける事」が大切になってきます。
そんな走りを身につけるトレーニング方法の一つに、アップダウンのあるコースで上りは心拍数を上げて、下りは思いっきりスピードを出して走る起伏走があります。
坂の下りで自分が普段出せないようなスピードが出せるので、その動きを脳に記憶させる事で、速く走るフォームを身につけていきます。
ただこの練習はロードなど地面がかたいところで実施すると、ヒザを故障する大きな要因になりかねないため、芝生など着地感が柔らかいところで実施するのがベストと言えます。
上記トレーニングは、土のトラックや山道など住んでいる地域によっては、同様の練習は実施できない可能性もあります。
・・・がなぜこの練習を実施するのか?というポイントさえ抑えておけば、環境は異なれど同様の効果が期待できるトレーニングはじゅうぶん可能です。
ただしこれらのスピード強化トレーニングを実施する前にまずこの本で書かれているのは、基礎体力やスタミナの土台をしっかりつくっておく事。
これらが備わっていないと、本当の意味でのスピードは身につきません。
何事も最初はまずしっかりとした土台づくりからはじめる事、この事が実業団トップチーム「コニカミノルタ陸上競技部」から最も学ぶべき事なのかもしれません!!
今回参考にさせていただいた書籍
合同会社ランシスの運営を通じて「ランウォーク」×「ツーリズム」の掛け合わせ「ランウォークツーリズム」による、三重を走り歩く新たなモチベーション創りを模索しています。
またランニングコミュニティ「セカンドウィンド四日市」の運営や、三重県ウオーキング協会事務局長として広報等を担っています。